投資家テスタ氏の証券口座に不正アクセス!日本証券業協会が緊急対応策を発表で10社が異例の被害補償へ

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著名投資家テスタ氏(@tesuta001)の楽天証券口座への不正アクセス事件が大きな話題となっています。テスタ氏は2005年に300万円から投資を始め、累計利益100億円を達成したカリスマ投資家として知られており、その証券口座が不正アクセスされたというニュースは投資家たちに大きな衝撃を与えました。この事件を受け、日本証券業協会は2025年5月2日に緊急対応策を発表。主要証券会社10社が一定の被害補償を行うことを申し合わせました。今回は不正アクセス事件の詳細と日本証券業協会の対応、そして私たち投資家が今すぐ実践すべき対策について解説します。

著名投資家テスタ氏の証券口座不正アクセス事件とは

2025年5月1日、カリスマ投資家として知られるテスタ氏は自身のXアカウント(@tesuta001)で、楽天証券口座が不正アクセスにより乗っ取られたことを報告しました。テスタ氏は2005年に300万円の元手で投資を始め、デイトレードで利益を積み上げ、近年は中長期投資にシフトして累計利益100億円を達成した著名人物です。

テスタ氏は5月1日朝、心当たりのない二段階認証の確認メールを受け取り、不審なログイン試行を察知しました。急いで楽天証券の口座を確認したところ、前日の夜に本人の意思によらない注文が実行されていたことが判明。さらに衝撃的なことに、パスワード変更作業中にも注文履歴が更新され、乗っ取り犯がリアルタイムでアクセスを継続していた可能性が高いことが分かりました。

テスタ氏はすぐにパスワードを変更し、楽天証券に電話で連絡して口座を一時凍結。これにより新たな不正注文は停止しましたが、不正取引による被害は既に発生していました。特に中国株の売買が含まれていた可能性が指摘されています。

注目すべき点は、テスタ氏がウイルス対策ソフトを二重に導入し、毎日スキャンを行っていたにもかかわらず、流出経路は特定できていないという事実です。また、他の証券会社のメールアドレスが変更されており、メールアカウントへの不正アクセスも疑われています。

テスタ氏は「楽天証券の二段階認証は意味を成していない」とXで発言し、投資家に注意を呼びかけました。この発言は、証券会社のセキュリティ対策の実効性に疑問を投げかけるものとして大きな反響を呼んでいます。

日本証券業協会の緊急対応発表の内容

テスタ氏の事件のみならず、近年フィッシング詐欺等による証券口座への不正アクセス被害が増加していることを受け、日本証券業協会は2025年5月2日に緊急対応策を発表しました。

協会の発表によると、実在する証券会社のウェブサイトを装った偽ウェブサイト(フィッシングサイト)等で窃取した顧客情報(ログインIDやパスワード等)を利用した不正アクセス・不正取引による被害が複数発生しているとのことです。

こうした犯罪行為の防止に向けて、日本証券業協会及び各証券会社は関係機関と協力しながら適切に対応するとともに、捜査機関に対しても積極的に協力する姿勢を明らかにしました。

特筆すべきは、今回のフィッシング詐欺等による証券口座への不正アクセス等により、第三者がお客様資産を利用して行った有価証券等の売買等により発生した被害について、各社の約款等の定めに関わらず、一定の被害補償を行う方針を打ち出したことです。

大手証券10社による被害補償の合意内容

日本証券業協会の発表によれば、大手証券やネット証券の10社との協議を経て、フィッシング詐欺等による証券口座への不正アクセスによる被害について、一定の被害補償を行うことで合意しました。具体的な手続き等の内容については、被害が発生している各証券会社において決定次第、案内される予定です。

対象となる証券会社10社(50音順)と2025年5月3日現在の補償対応状況は以下の通りです。

証券会社補償対応状況(2025年5月3日現在)
SMBC日興証券対応する旨のお知らせのみ
SBI証券2025年5月末を目途に順次、被害に遭われたお客さまに個別に連絡予定
大和証券お知らせなし
野村證券被害のお申し出をいただいたお客様へ個別に連絡予定(時期未定)
松井証券お知らせなし
マネックス証券詳細確認中であり、今後、お客様ごとに連絡予定(時期未定)
みずほ証券お知らせなし
三菱UFJ eスマート証券被害のお申し出をいただいたお客さまへ個別に連絡予定(時期未定)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券対応する旨のお知らせのみ
楽天証券2025年5月中旬以降、該当のお客様に連絡予定

被害補償については、被害状況を十分に精査し、お客様のIDやパスワード等の管理を含む態様やその状況等、並びに証券会社における不正アクセス等を防止するための注意喚起等を含む対策等を勘案したうえで、個別事情に応じて対応することになります。

投資家が今すぐ実践すべき不正アクセス対策

日本証券業協会は、投資家が今すぐ実践すべき対策として、以下のポイントを強調しています。

  1. 多要素認証の設定:利用されている証券会社において、多要素認証(ワンタイムパスワード等、2要素以上を組み合わせる認証)が提供されている場合には、必ず多要素認証の設定を行いましょう。
  2. 公式サイトをブックマーク:証券会社のウェブサイトには、公式ウェブサイトをあらかじめブックマークしてからアクセスすることを習慣にしましょう。
  3. リンクをクリックしない:メールやSMS(ショートメッセージ)などに表示されているリンクは絶対に使わないでください。これがフィッシング詐欺の主な手口となっています。
  4. 不審な取引報告書の確認:お心当たりのない取引報告書等が手元に届いた際は、取引証券会社に速やかに申し出ましょう。

これらの対策を実践することで、不正アクセスのリスクを大幅に減らすことができます。特に多要素認証の設定は、パスワードが流出してしまった場合でも、第三者による不正アクセスを防ぐ強力な防御策となります。

まとめ

著名投資家テスタ氏の楽天証券口座への不正アクセス事件は、どんなに経験豊富な投資家でも被害に遭う可能性があることを示しています。この事件を受けて日本証券業協会が発表した対応策と、SMBC日興証券、SBI証券、楽天証券など10社による被害補償の申し合わせは、投資家保護の観点から重要な一歩と言えるでしょう。

しかし、最も重要なのは私たち投資家自身がセキュリティ対策を徹底することです。多要素認証の設定、公式サイトからのアクセス、不審なリンクのクリック禁止、取引履歴の定期確認など、基本的な対策を確実に実践することが大切です。

投資の世界では資産運用のスキルだけでなく、自らの資産を守るセキュリティ意識も重要な投資スキルの一つであることを、テスタ氏の事件は私たちに教えてくれています。今一度、自分の証券口座のセキュリティ対策を見直し、必要な対策を講じましょう。

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