【本】証券会社がなくなる日ーIFAが「株式投資」を変えるーを読んでみた

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久しぶりに本を読みました。タイトルは「証券会社がなくなる日ーIFAが「株式投資」を変えるー(著:浪川攻 講談社現代新書)」です。証券会社から離れて時間が経ちますが、今でも金融や証券関係の本があると、つい興味が湧いてしまいます。

感想としては、現在の証券会社が置かれている状況や現場で行われていることがリアルに書いてあり、面白かったです。特に、現在、大手証券会社と取引している人やこれから口座開設を考えている人に読んでもらいたい内容となっています。

また、学生の方でこれから証券会社への就職を希望している人も、実情がわかって勉強になると思います。

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本の内容 日本の証券会社とアメリカの個人向け証券会社を比較しながら、その違いを解説している

本の内容としては、昨今話題となってきているIFA(Independent Financial Advisor 独立系ファイナンシャルアドバイザー)の解説をしながら、日本の証券会社が置かれている状況とアメリカの個人向け証券会社がどのような状況になっているかを紹介し、日本の証券会社の問題点を見ていくといったものになります。

IFAとは、証券会社の社員ではなく、独立して顧客と契約し投資の助言等を行う人達のことを指します。証券会社から独立しているので、手数料稼ぎのために顧客に回転売買を強いるといったことが起きにくく、長期的な資産運用のアドバイスができるといった強みがあります。なお、本書の後半にも書かれていますが、アメリカでは左記のようなIFAが多くなってきているようですが、日本では手数料稼ぎに勤しむIFAも増えてきているようです。

証券マンは自分のために仕事をしている

本書でも書かれているとおり、証券会社のビジネスモデルはなるべく顧客に売買をしてもらい、手数料収入を如何に上げるかというものです。そして、営業成績が良い社員の賞与を多くするなどインセンティブを与え、更に収益を上げるように促します。

私も経験がありますが、上司や先輩によく言われたことは「自分のために仕事をしろ」という言葉です。自分のための仕事とは、日々のノルマを達成することにより、自分の賞与、ひいては出世を良くすることを意味しています。そこには、顧客第一の面影はありません。支店の朝礼で顧客第一と書かれた社是を合唱した後すぐに「自分のための仕事をしなきゃだめだ」と平気で言われます。

日本にIFAは根付くか

私は、この本を読んでワクワクする気持ちになりました。それは、手数料稼ぎではない、顧客と長期的な視点に立って資産運用をアドバイスする、素晴らしい仕事が日本でも増えてきていることがわかったからです。そしてこれは、本来私がやりたいと思った仕事の一つだったからです。本書の中には、今注目されているIFA法人もいくつか紹介されていますが、創業者の皆さんは大手証券会社出身でなおかつ営業成績も良い人ばかりでしたので、自分がIFAとして食べていくのはとても困難だと感じましたが、営業成績が良くなかった私でも、できることを地道にやっていこうという気持ちになりました。

このような、IFAが日本に広まっていくのかという点ですが、鍵を握っているのは、やはり日本経済の復活だと思っています。IFAは、基本的に商品の売買手数料ではなく、顧客の資産に対して手数料をもらうことによって利益をあげます。言い換えると、資産が増えないと、顧客としては手数料分損してしまうということです。日本は平成の30年間、ほどんど株価が上昇しませんでした。仮にIFAに資産を預け、30年間運用をしていたとすると、株価が上がらなかったわけですから、手数料分だけ損をして終わりになってしまっていたということになります。(実際は、世界分散投資を選択するため、利益は出ていたと思います。)アメリカでIFAが広まった理由の一つとしては、アメリカ株が大きな調整はあれど基本的に右肩上がりになっていることがあるのではないかと思っています。株価が右肩上がりであれば、とりあえずアメリカ株を買っておけば資産が増え、手数料を支払ったとしても利益が残ります。

上記のことから、私は、IFAが広まっていくには、日本株が右肩上がりに上昇し、投資をすれば資産が増えるんだという環境が生まれることが重要だと感じました。

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